今回は、地域と一緒に農業を行う建設会社、「オーサン」さんに行ってきました!
島根県の山間の町、川本町でえごまを栽培しておられます。地元を思う気持ちがとても熱い会社でした!
今日は取材よろしくお願いします!
オーサンの飯田です。よろしくお願いします。
目次
1.そもそもえごまってどんなもの?
オーサンさんではえごまを作っているということですが、
そもそもえごまってどのように食べるものなんですか?
この写真を見てください。まだ葉が青いときのえごまです。
何かに似てると思いませんか?
うーん、なんだろう。
…シソですか?
そうですね。
えごまはシソ科の植物なので形はよく似ています。
韓国料理では葉がよく使われるらしいですよ。
えごま油はよく聞きますがそんな食べ方があるんですね!
日本でいうシソと同じような扱いみたいです。
刺身のツマとしても使われるんですが、シソ同様殺菌効果があります。
なので魚が悪くならないよう添えるという意味があるようです。
それは知らなかったです。
ご存じの通り、搾油してえごま油に加工して食べるのが一般的ですね。
抗酸化作用があり健康に良い、ということで最近注目されています。
健康にいいというのもよく聞きます!
でも食べ方があまり想像できないです。
サラダ油のように調理に使うのですか?
あまり調理に使う油ではないですね。
えごま油はとても酸化しやすいので加熱はNGで、生食用の油なんです。
もちろん温かい料理にかけていただくのは大丈夫ですよ。
なるほど!
えごまに含まれるαリノレン酸という油が健康にいいんです。
中村くんは魚好きですか?
好きです!
では毎日魚を摂取できていますか?(笑)
そういわれると全然魚食べてないです。
日本人はもともと魚食文化だったんですが、最近は肉食が多くなり魚はほとんど食べません。
その不足している油を手軽に摂取していただけるのがえごま油のいい部分かなと思います。
健康のためとはいえ魚を毎日食べ続けるのは大変ですもんね。
そう考えると確かに手軽ですね。
えごまの機能性については調べるとより詳しく理解していただけると思います。
このページではわかりやすく解説されていますので参考までに読んでみて下さい。
日本簡易振興機構HP:
えごま | 日本産食材ピックアップ – 農林水産物・食品の輸出支援ポータル – ジェトロ (jetro.go.jp)
2.本業ではない農業に踏み切った理由
オーサンはもともと建設会社と聞いたのですが本当ですか?
むしろ建設業の方が本業です。
そうなんですか!
ずっと建設・土木のお仕事をしていたのですが
平成15年から農業事業部を立ち上げてえごまの栽培をしています。
農業事業を始めたきっかけは何だったんですか?
異業種に参入するってすごく怖いことだと思うんですが...
そうですね...
地元である島根県川本町に貢献できるような事業を始めようとして今のえごま栽培を始めたんです。
えごま栽培と地域への貢献がどのように結びついているのですか?
えごま栽培をすることで地元の方々に健康になってもらうことができるんじゃないかなと思います。
えごまの産地化だけが目的ではないんですね!
えごまそのものが健康食品なので、えごまを食べていただくことで元気になっていただけることが理由の一つ目です。
なるほど!地域外に売るだけではなくて、地産地消で食べることも考えているんですか。
もちろんです。
川本町は現在の人口が約3200人です。高齢化が進んでいて若者が少ないので
住民の方を元気になるように...という思いはありますね。
僕も島根出身なので地域が高齢化していく様子は身近に感じています。
島根は全国的にも人口減少が著しいですしね。
僕の地元では、耕作放棄地
(畑や水田を一定期間以上せず、農業する人がいなくなった農用地)
がすごく多いんですが川本町ではどうですか?
結構ありますよ!
その部分が理由の2つ目に関わってきます。
耕作放棄地って水田が多いんですよね。
そもそも畑より田んぼの方が多いっていうのもあるんですが。
わかります。草ぼうぼうの田んぼはよく見ます。
水田は広い面積をやろうと思うとすごく大変だし、高価な機械もたくさんいるんですよ。だから体力的、経済的にきつくてやめる方も多いです。
農業の担い手もいないとよく聞きます!
理由の2つ目は、オーサンのえごま栽培に協力してもらうことで気軽に作業して、心も体も健康になっていただくことです。
水田だと重労働で大変だけど、えごま栽培であればちょうどいい作業量で畑を管理出来るということですね。
そうですね。無理のない範囲で栽培できるなら耕作放棄地を減らすことにもつながりますし、
高齢の農家さんのやる気にもなると思います。
ところでどういった形で栽培をしているんですか?
自社栽培と契約栽培の2種類あります。
面積でいえば自社1に対して契約農家さん2くらいの比率です。
契約農家さんってどんな方が多いんですか?
やはり本業でがっつり農業をしている方ですか?
もちろんそういう農家さんもいらっしゃいますね。あとはUターン、Iターンの方も多いです。
大規模にする方もいれば、ちょこちょこ作って、という方などいろいろな方がいますよ。
地域のいろいろな方とつながりがあるということですね。
そうですね。そういった意味でいろいろな方がえごま栽培に参入しやすい環境を作れていると思います。
農業では新規参入が難しいことが多いと聞くので、いいことですね。
3.オンリーワンの苦労
最初にえごまを導入されたのは川本町の農家さんなんです。
大変健康に良いものだということで栽培を始められたんですが、
やはり個人ではPRも大規模栽培も難しいということで
オーサンがえごま栽培を始めました。
ゼロからのスタートだったとは思いますが、もうノウハウはしっかり構築できているんですか?
それは全然これからですね(笑)
やはり農業のノウハウは一生涯貯めるものだと思いますよ。
すごく深いですね(笑)
苦労がおありなんですか?
もともと建設会社なので重機や機械は扱えたんです。
ただ、オーサンではえごま栽培に農薬を使っていないんですよ。
えっ、それってかなり大変ではないですか?
そうなんです。害虫や鳥のせいで2年連続収穫なしのときもありました。
毎年条件が違うので、去年の方法が通用する保証はないです。
栽培方法や収穫のやりかたは独学と試行錯誤の積み重ねです。
ノウハウもない状態から栽培方法の確立までしっかり成し遂げたということですよね!
そこまで情熱が傾けられる理由は何ですか?
やはり川本の地域活性化に一役買いたいと思うからです。
とはいえ、一企業がこれだけ大規模に地域と協力して何かをするってなかなかないと思います。
そうですね。
契約農家さんのえごまは全量を買い取っています。えごま栽培をするメリットを作れるように工夫はしています。
個人ではできないPRや販路開拓、えごまの搾油といった加工や加工品の保存をオーサンファームで行うことでスムーズにえごまの産地化へ向けて活動できていると思います。
おそらくですけど、そういったことを個人でやろうと思うと機械をそろえたりしなくてはいけないんですよね?
えごまを収穫してから搾油までの工程がすごく大変なんですよ。
まず…
うわ、大変ですね…。油が少し高価になってしまうのも納得です。
そうなんですよ!農産物って作り手がいて手間もかかっているから高くなってしまうのはしょうがないんです!
そうですよね...
お客様に手にとっていただきたいですが、利益も出さなければ事業として成立しません。とても難しいところだと思います。
それでは最後にこれからオーサンファームとして目指す目標やビジョンがあれ
ば教えてください。
今、オーサンファームの方針としては自社生産の量は減らそうと思っているんです。
えっ、なぜですか?
もっと販売に力を入れていきたいと思っているからです。
農業の技術や地域とのかかわり方もまだまだこれから改善の余地があると思うので試行錯誤していきたいです。
農業も地域とのかかわりも一生、ということですね。
今日はありがとうございました。
4.まとめ
なんといっても、地域と一緒に面白いことをやろうという情熱がすごい会社だと感じま
した。品質としてもとても高いもので、数年前に「青空レストラン」という番組に出たこと
もあるそうです。
名前だけは聞いたことがあるえごまでしたが、油をとるのにあれだけの繊細な工程があ
るのは驚きです。本当に手がかかっているモノなんだということが分かりました。
ゼロからすべてを立ち上げたということでいろいろな工夫をしてきたそうですが、まだ
まだこれから、とおしゃっていたので今後のご活躍にも注目です!
食卓に並べやすい調味料を、ということでえごま油を使ったドレッシング、ポン酢など
販売されているそうです。気になる方はこちらもチェックしてみて下さい!
この記事をいいね!する
取材先
-
株式会社オーサン
(本社)島根県邑智郡川本町南佐木282-1
TEL:0855-74-0616 FAX:0855-74-0618
(浜田営業所)島根県浜田市笠柄町47番地
TEL:0855-28-7611 FAX:0855-28-7612
(オーサンファーム)島根県邑智郡川本町因原1144-2
TEL:0855-74-2210 FAX:0855-72-2202