日本で三本の指に入る<br>広瀬絣の藍染<br>体験してみませんか
物語

2022/03/22 Tue

日本で三本の指に入る
広瀬絣の藍染
体験してみませんか

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皆さんは藍染って知ってますか?昔からある染め方ですが、ジャパンブルーといわれるほど深く鮮やかな日本らしい青色がでることで有名です。
今回はそんな藍染の中でも、島根県安来市の広瀬町で受け継がれてきた広瀬絣についてご紹介します。

松江城の近くにある、広瀬絣藍染工房さんでは藍染を体験できるということで実際に染めてみました!

1.藍染体験してみた!

広瀬絣藍染工房の天野さん。広瀬絣藍染工房さんでは藍染体験のほかに広瀬絣で使う糸の染色なども行っていて、藍染の管理などすべて天野さんお一人でやっているそうです。

今日はよろしくお願いします!

よろしく!今回の染め方では色を付けるだけじゃなくて、こういうふうに自分で模様をつけることができるんです。染めずに白くするところや色を薄くする部分は輪ゴムで縛ってくださいね。

わかりました!輪ゴムで染料がしみこまないようガードするんですね!

縛り方によって、丸であったり線であったりいろいろ描けるのでそこは自由にデザインしてみてください(笑)

…やってみると結構難しいですね。なんとなく完成予想はイメージできてますが、実際にその通りかどうか全然わかりません…。

とりあえずこんな感じで。イメージ通りか不安…
 

できましたか?
それでは染めていきますよ。
あ、その前に上着は脱いだほうがいいですよ。

そうか、染まっちゃいますもんね。

藍染の液が入っている甕。これに布を浸けて染めていきます。

じゃあ、できた布を水で濡らしてください。

わかりました!

近くで見るととても深い青。この真ん中に浮かんでるのは泡です。
藍を管理する過程で発生するものらしいです。

それでは本格的に染めていきますね。
この甕は深さが1mくらいあって、
何か落ちると回収が難しいんです。
手を離さないように気を付けてください

わかりました。

では布を藍染の液につけてください

おお、思ったよりぬるいですね。

布がちゃんと染まるようにもみながら染めてください。
液がぬるいのは藍染がちゃんと染まるように
状態管理しているからなんですよ。
出来たら、いったん上げてみてください。

うーん!なんか緑っぽいですね。
青色に染めるんですよね?

そうやって広げて持っててくださいね。
もうすぐ色が変わってくるので。

本当だ!ちゃんと深い青色に変わりました。

はい。なんで色が変わったと思いますか?

ええー、…空気に触れたからですか?

そうですね。
空気中の酸素に触れたから青くなったんです。
つまり酸化っていう化学反応で青くなったんです。
酸化の逆の化学反応は還元ですよね。
今染色に使っている液体は、
藍を還元した液ということです。

なるほど!ただの色素が入っている液というわけではないんですね。

水面は空気に触れているから青いですよね。
でも中のほうは緑っぽかったでしょ。

はい。

で、染まっているように見えるんですけど乾かすとこの色の1/6とか1/7の薄さになっちゃうのであと6回染めないと乾かしたときその色にならないんです。なのでさっきの作業を繰り返していきましょう。

見た目には結構濃いのでこれで終わりかと思っていました。了解です!

今回は合計4回染めて完成にしましょう。
2回染め終わったら、輪ゴムを切って色の濃淡をつけることで模様をつけていきます。

最後まで輪ゴムを切らなかった部分は白くなるっていうことですか?

そうですね。だいたい大筋はそんな感じなので最後までやってみてください。

4回染め終わって、余分な色素を水で洗ったところ。あとは仕上げだけ!
 

いい感じですね。あとは家に持って帰ってから少し仕上げるだけです。
お湯で灰汁を出して、干したら完成ですね。

2.そもそも藍染とは?

藍染の原料はタデアイっていう植物なんです。
タデは昔からことわざがあるでしょう。

なんでしたっけ…。
たしか「蓼食う虫も好き好き」です。

それそれ。蓼は虫が食べない植物なんです。だから染料として使われたときに、防虫効果を発揮します。

藍染のいいところは色だけじゃないんですね!

江戸時代は防虫剤がないですからね。結婚した時に藍染の服をもっていったり、虫がつかないよう藍染の風呂敷で包んでいたそうですよ。

虫は匂いが嫌いなんですかね?

虫じゃないのでわからないです(笑)

タデアイを乾燥させたもの。葉っぱも青くてびっくりでした。
昔は日本全国で生産されていましたが、現在はほとんど四国でしか栽培されていないそうです。

藍染中に液がぬるかったと思うけど、
藍は常に還元状態にさせておかないといけないんです。作業中にも説明しましたが、色素が酸化すると染まらなくなるんです。管理作業は藍染にはつきものですね。

藍染液の管理ってどれくらいの頻度でするのですか?

まあ、ほぼ毎日ですね。たまに旅行にも行きますが(笑)
ちょっと話がずれますが、昔は藍染を管理する場所は土間だったんです。炭火を用いて液の温度を保っていたんです。特に冬場なんかは温度を保たないといけないので大変です。今は電気で温度を管理していますがそれでもほっとくわけにはいきません。

ちなみに管理を怠るとどんな風になるんですか?

どうしても染めたときに藍の液が酸化するんです。管理しないとどんどん酸化していって液が死んじゃいます。死ぬっていうのは染まらなくなるっていうことです。だから常に色素は還元してやらないといけません。

ちなみに五つ甕がありますが何か違うんですか?

向こうが一番色素が薄くて、手前が濃いです。
やっぱり染め続けると色素が抜けて染まらなくなるのでそういったものは新しいものと交換です。色素の濃さを使い分けたりもしますね。

3.島根に伝わる広瀬絣

藍染は江戸時代では庶民の着るものによく使われていたと聞いたのですが…

やはり江戸時代は今ほど豊かではなかったので質素な生活をしなければいけなかったようです。そのなかでも藍染や絣というのは人気があったようですね。

すみません、絣って何でしょうか?
藍染と同じ意味かなと勝手に想像していましたが違うんですか?

布に模様をつけて織る技術が絣です。
さっきやってもらったのは「後染め」って言って布がすでに織ってある状態で染色してるんです。
絣は、糸をまず染める「先染め」をしてから機で織ってます。

藍染は絣とは一緒じゃないんですね。

まず藍染があってそこから絣という技術につながります。

あ、では広瀬絣の中で布を染めるのはそんなにメインの技術ではないんですね。

そうそう(笑)でも伝統技術を体験してもらうにはちょうどいいと思います。

絣の技術っているのはどんなところに使われていたんですか?

基本は着物ですね。祝い事用であったり小物、縁起物にも使われています。

広瀬の絣は日本三大絣の内の一つと聞いたことがあるのですが本当なんですか?

絣の言葉の由来っていうのは「かすれ」からきていると言われているんですね。
図案の白と藍の境界線を見るとハッキリわかれているわけじゃなくてぼやけているでしょ。これは、糸の段階で染めた後に図案になるよう調整して織ると多少のずれが発生するからなんですよ。
こういった技術で有名だったのが、久留米、備後、そして広瀬です。

なるほど!島根県民としては誇らしいです。

城下町というのは鍛冶や織物が盛んになりやすいんですが、藍染も同じで、それくらい必要とされていた染め方ということですね。
広瀬絣の特徴は、すべて手作業なのと独自の工法を用いているので模様がきれいに浮き出てくることですね。

自分の地元にそんなすごいモノがあるとは知りませんでした。
最後に、今日は自分でも染めさせてもらったのですが藍染製品の手入れで気を付けたほうがいい部分はありますか?

草木染と一緒で、太陽光にあたると日焼けしちゃいます。だからしまうときは日光の当たらないところで保管してください。
洗濯するときはネットに入れて洗濯機にかければいいと思います。漂白剤はNGですね。

今日はいろいろ教えてくださりありがとうございました!昔の人にとって身近だった色だと思いますが、一から体験することで歴史を感じることができました。

4.まとめ

これが後日仕上げまで行った藍染のハンカチです。思っていた以上に青色が映えていて満足でした。染色しているときの藍染液の色やにおい、それぞれの工程での青色がとても印象的でした。
松江城のすぐ近くにあるお店なので、松江の町と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?

広瀬絣藍染工房さんのくわしい情報は

http://www.mable.ne.jp/~izome/aizome.html

check!

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取材先

取材先画像

広瀬絣藍染工房

営業時間 10:00 ~ 17:00
〒690-0888 島根県松江市北堀町322

TEL: 050-6864-3330

MAIL: izome@live.jp

http://www.mable.ne.jp/~izome/aizome.html

 

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