半世紀以上愛され続ける銘菓 「どじょう掬いまんじゅう」
お土産

2021/04/16 Fri

半世紀以上愛され続ける銘菓 「どじょう掬いまんじゅう」

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開発のルーツと、そのこだわりとは?

1967年の発売開始から50年以上経った今も、変わらぬ人気を誇る中浦食品の「どじょう掬い(すくい)まんじゅう」。かる~い口当たりの生地と、それに包まれた甘さ控えめな白あんが絶妙な一品ですが、半世紀を超えても愛され続ける秘密は一体!?

知られざるその秘密に迫るべく、中浦食品さんにご協力いただき、「どじょう掬いまんじゅう」のこだわりについて伺ってきました。「まだ食べたことないなあ…」「名前しか知らない…」そんな方には必見です!

また普段から「どじょう掬いまんじゅう」を楽しんでいらっしゃる方にも、目から鱗の情報がぎっしり詰まっているので、「どじょう掬いまんじゅう」を片手に是非最後までご覧ください!

ルーツはなんと当時の流行り!?

松江城、牡丹、出雲大社…島根県内の様々な名産品や観光地の中で、そもそもなぜどじょう掬いが選ばれたのでしょうか?それには当時のブームが影響していたんだそうです!「どじょう掬いまんじゅう」が生まれた1967年当時、全国的に安来節がかなり有名だったというのです。

安来節とは?
島根県安来市発祥の郷土民謡で、どじょうを掬う姿を表現する斬新な踊りです。ほっかむりをしてひょうきんな見た目としぐさで魅せる「男踊り」と、絣の着物に優美で軽快なしぐさで魅せる「女踊り」があります。

「山陰のお土産になるものは何かないのか」、そう考えていた当時の社長や幹部・職人の皆さんは、当時流行っていた安来節の男踊りからヒントを得て、「どじょう掬いまんじゅう」を生み出したのだそうです。

販売が開始された当初、国内で旅行が身近になっていったこともあり、各県の顔となる土産ができ始めた頃でした。そのため「どじょう掬いまんじゅう」は島根土産のさきがけとなり、島根の銘菓として定着したそうです。さらに1991年に全国放送の番組『テレビ探偵団』で、地方の面白いCMとして大賞を取得したこともあり、全国に名前が知れ渡ることに!その後も定期的にメディアに取り上げられ、半世紀を超えても愛されるロングセラー商品となったのです。

※どじょう掬いまんじゅうのヒミツ!今の真ん丸の目と違い、昔はうずまき型の目だったんだそう…

おいしさの秘密は「バランス」

一日に約3万粒も生産されるという「どじょう掬いまんじゅう」ですが、やはり一番人気なのは定番の白あん。餡を作る際に空気を含ませることで、あのふわっとした食感を生み出しています。癖のない甘さ控えめな味わいですが、かつてはもっと甘かったのだとか…!その理由は、保存食である塩漬けや砂糖漬けと同じ仕組みで、品質保持のためには高い糖度が不可欠だったからです。
しかし脱酸素剤の登場により、微生物の繁殖が抑えられ、日持ちさせることが出来るようになったのです。この時期から品質保持のための砂糖が不要になり、甘さを控えめにした、変わらぬ味を保ち続けてきました。

「どじょう掬いまんじゅう」には定番の白あんに加え、様々なコラボ商品が販売されており、山陰の特産品を使用した苺・梨・栗や、地元企業と協力して製造された抹茶やミルクキャラメルなど、多種多様な味を楽しむことが出来ます!
新たな味を開発するにあたり、重視していることはバランスなのだそうです。
おいしいことは当たり前で、その先リピートしてもらえるよう何度も調整を重ねます。味が濃すぎると二個目が食べられない、かといって薄すぎると物足りない…その絶妙なバランスを大事に開発を進めているのだとか。

実は、餡と皮のバランスにもこだわりが!
様々な味の餡を包む皮は、実はどれも同じ生地。焼き上がりはパリパリした生地ですが、個包装して一晩おくと、餡の水分を皮が吸収してしっとりした生地になるのです。このとき水分が多すぎると、皮が柔らかくなりすぎてしまい、包装にくっついてしまいます。顔がついている饅頭なので、包装紙にくっついて皮が破れてしまったら大変。このため一般的な饅頭に比べ、水分の少ないクッキー生地なのだそうです。

前社長の熱意が生んだパッケージと、時代に合わせた変化

ほっかむりを被った男性が、どじょうを掬っている姿が印象深いパッケージ。こちらのデザインは北海道出身の漫画家おおば比呂司先生によるもので、中浦食品の前社長が頼み込んでデザインしていただいたもの。温かみのあるイラストは、1979年からずっと定番のパッケージとして「どじょう掬いまんじゅう」を飾ってきました。

※どじょう掬いまんじゅうのヒミツ!本社にはおおば先生の貴重な原画が。あたたかな色づかいが素敵

しかし安来節も昔ほど有名ではなくなり、現在はどじょう掬い踊りを知らない人も多くなってしまいました。それでも饅頭の顔のかわいらしさから、日本のみならず、海外でも人気を呼んでいるそうです!
そこで今は、
饅頭の見た目をもっと前面に押し出そうと考えており、中身が見える透明のパッケージも登場!以前より、包装紙を外して一面に表れる饅頭の顔はインパクト大!そのかわいらしさから「癒された」と喜びのメッセージを頂くこともあるのだそうです。

県外の方にも買っていただけるよう中身のインパクトという点をさらに突き詰め、イベントごとにほっかむりのデザインを変えてみるなど、今後さらにパッケージが変化する可能性があるのだそうです!楽しみですね!
また、「どじょう掬いまんじゅう」の型を使って、フィナンシェなどの洋菓子に発展させることも検討しているそうです。時代の流れと共に、「どじょう掬いまんじゅう」も変化し続けています。
変わらぬ味を守りつつ、時代の変化に合わせる、それが「どじょう掬いまんじゅう」の愛され続ける秘密なのではないでしょうか。

社員の皆さんによるこだわりポイント

最後にインタビューさせていただいた4名の方々に、「どじょう掬いまんじゅう」の一番のこだわりポイントをお聞きしました。

宇佐美 統括部長:
「社風に似ていますが、気取らなさではないでしょうか。ガツンとくる感じではないけれど、逆にかしこまっていないし、普段から何個でも食べやすい。そのあたりの心地よさを大事にして、いつも側にあるような商品になるとうれしいです。」

和田 工場長:
「やはり一番は白あんのおいしさ。季節によって気温や湿度も違うけれど、餡と皮とのバランスを大事にして、これからも守り続けていきたいですね。」

板倉 課長代理:
「味と品質を落とさず、変えず、同じものを作ること。異物混入も無いように、きちんと決められた手順で作業をしていきたいですね。」

安食 管理課主任:
「見た目にインパクトがあるから、この見た目を維持したいですね。目付けの段階で半目になってもいけないし、この商品は特に見た目をこだわっています。」

ちなみに、和田工場長は、「どじょう掬いまんじゅう」に惹かれて中浦食品株式会社に入社されたのだそうです。そんなに人を魅了し続ける「どじょう掬いまんじゅう」を皆さんも是非ご賞味ください!

「どじょう掬いまんじゅう」で、山陰旅行気分を!

パッケージや餡、生地などに様々なこだわりが詰まっており、「どじょう掬い饅頭」が多くの人の熱意によって出来上がっていることがわかりました。こちらの商品は山陰に立ち寄った時だけでなく、オンラインショップでも購入が可能です。県外へ行くことが難しい今こそ、島根のお菓子でのんびり一息ついてみませんか?やさしい甘さが魅力のどじょう掬い饅頭を、ぜひ一度ご賞味ください。

取材に協力していただいた中浦食品の皆さん、ありがとうございました。

※どじょう掬い饅頭のヒミツ!こだわりたっぷりのどじょう掬い饅頭、おひとついかが?

中浦食品株式会社 公式サイト
http://www.nakaura-f.co.jp/

どじょう掬い饅頭専用サイト
https://www.sanin-nakaura.jp/dojou-sukui2018

 

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取材先

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中浦食品株式会社

創業より300数余年 <郷土の特産品づくりで街づくり> を基本理念に、食品に携わる企業として地域社会の発展に貢献している中浦食品株式会社。
地元の資源を生かした観光土産品の製造・販売、オリジナル食品の開発、柔軟な発想と自由な思考力をツールに「食を通して文化を創造し、情報を発信する。」ことが中浦食品のテーマであり、企業の務めであると考えます。

取材場所:中浦食品株式会社

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