今回は島根県松江市の宍道湖でしじみ漁を行う会社「しじみ屋」さんにお邪魔してきました。「漁師が獲って漁師が売る」を掲げるしじみ屋さんのこだわりを聞いていきたいと思います!
私は島根県で生まれ育ち、現在島根大学に通う中村です!島根県の宍道湖といえば夕日が有名ですよね。夕日百選にも選ばれたきれいな夕日を見ることができます。そんな宍道湖ですが、実はしじみの漁獲量が日本一です。朝、昼はしじみ漁を行う船が何隻も浮かんでいるので、松江を観光していればしじみ漁の様子を見ることは簡単です。昼間は宍道湖に浮かぶ船を、夕方は夕日と嫁ケ島を楽しむのはいかがでしょうか?
宍道湖の風物詩であるしじみ漁の、一端を担う「しじみ屋」ですが、代表の引野さんがインタビューに応じてくださいました。
中村です!よろしくおねがいます!
こちらこそ!「しじみ屋」代表の引野です。
中村: | 事務所も引野さんご自身もとてもおしゃれですね。 しじみ漁師さんの会社と聞いてやってきたのですが正直イメージと全然違いました。 |
引野さん: | ありがとうございます(笑) でもこの服は作業着ですよ。 さっきまでしじみの選別をしていました。 |
中村: | え!社長なのにご自身で漁もされるのですか? |
引野さん: | そうですね。漁をしている時が一番楽しいです(笑) |
中村: | まさに「漁師が獲って漁師が売る」、ですね! |
引野さん: | そうです。社長兼漁師なのでめちゃくちゃ忙しいです! |
目次
シジミをおいしく採るために…
中村: | 社長兼漁師ということは、しじみを獲るところから売るまで全部知っているということですか? |
引野さん: | なんでも聞いてください(笑) |
中村: | しじみって天然のものなので産地によって違いが出にくいような気がします。 失礼かもしれませんがどれも同じではないですか? |
引野さん: | う~ん、そうですね。しじみは海水でも淡水でもない汽水域で育ちます。もちろん島根県の宍道湖も汽水湖の一つです。宍道湖は潮の満ち引きが激しいので、身がしまり、うまみが強いといえます。 |
※「汽水域」とは、海水と淡水がまじりあった場所です。一般的なのは海と河川の境目など。島根県の中海と宍道湖は全体が海水と淡水のまじりあった汽水湖です。
引野さん: | いいしじみをとるために大切にしていることもありますよ。 |
中村: | おお~、ぜひ聞かせてください! |
引野さん: | しじみ屋では、なるべく傷つかないよう しじみをやさしく採取することにこだわっています。 |
中村: | 傷つかないようにやさしく、ですか、、、 |
引野さん: | 「漁師が獲って漁師が売る」を掲げるしじみ屋ですが、私がこの会社で目指したい目標の一つはお客様に本物を提供できる業者になりたい!ということです。なので、手間がかかってもお客様に胸を張って「いいものです」といえるようにしたいですね。 |
中村: | ちなみに、しじみを丁寧に扱うメリットは何ですか? |
引野さん: | 日持ちすることです。風味がそこなわれないままおいしく食べていただけると思うので、その部分もお客様に胸をはって説明できるポイントです。 |
漁師が教えるシジミのおいしい食べ方
中村: | しじみそのものがおいしいことはわかりました! しかし、恥ずかしながらしじみといえばしじみの味噌汁のイメージしかありません。 なにかおすすめのしじみ料理はありますか? |
引野さん: | 私の家では、中華風ピリ辛スープにすると子供も喜んで食べます。 |
引野さん: | 何件かスープ用にラーメン屋さんに出荷していますよ。 |
中村: | それはぜひ食べてみたいです。 島根に出荷しているラーメン屋さんはありますか? |
引野さん: | ないです… |
中村: | 残念です! |
引野さん: | 東京の新宿でしたらありますよ。 東京で食べログ三位になったみたいです。 |
中村: | ええっ。すごいですね! |
引野さん: | しじみ屋では、シジミの味噌汁やクラムチャウダーも販売しているので見てみてください! |
しじみ屋オンラインショップをチェック!http://shop.shijimiya.com/
「しじみ屋」のこだわり
中村: | 今までお話をきいていましたが、「しじみ屋」はかなり独自路線を走っている気がします…。 なにか理由があるのですか? |
引野さん: | 私は祖父のしじみ漁を継ぐため脱サラしてしじみ漁師になりました。漁師になってから気づいたことは、普通に出荷するとどのしじみも一緒になってしまうということです。 |
中村: | いったん市場に出てしまうと、どこで、だれが獲ったしじみなのかお客様にはわかりづらいということですね… |
引野さん: | そうです! 自分が獲ったしじみは自分で直接、お客様にお届けしたいという気持ちが強くありました。 |
中村: | 農業では生産者さんの顔が張られたPOPはメジャーですが、漁業ではあまり見ないかもしれません。 |
引野さん: | お客様に安心して選んでもらえるようなしじみを売りたい!と思い、「しじみ屋」を漁師仲間と設立しました。しじみ屋という看板で売ると、私たちのこだわりが反映できますし、なによりお客様に私たちの顔を知ってもらえます。それはお互いの安心につながりますよね。 |
中村: | 深いです。しじみが本当にお好きなのが伝わってきます。 |
次世代に島根の自然をつなげる仕事
引野さん: | 宍道湖はきれいですよね。 漁をしているときは本当にそう思います。 |
中村: | 私も夕日だけは見に行け!と県外の人にはすすめます(笑) |
引野さん: | 「豊かな宍道湖を次の世代につなげる」ことは私の目標ですよ! そのために私がしていることはしじみが食べ続けられるようにすることです。このためには皆さんに宍道湖やしじみのファンになって貰うことが必要です。 しじみの販売促進はもちろん、宍道湖漁協青年部の活動として次の世代の子どもたちのためにしじみ漁の体験会なども行っています。 |
中村: | ご自身の仕事に大きなやりがいをもっておられることが伝わってきました。 最後に仕事中一番楽しいと思う時を教えてください! |
引野さん: | やはり漁をしている時ですよ(笑) 湖の上で朝焼けをみると、いい仕事だな~と思います。 |
まとめ
子供のころから、宍道湖のそばを通るたび「船が浮いているなあ」としか思っていなかったのですが、「しじみ」がこんなに奥深いものだとは思いませんでした!今回の取材を経て、今までなんとなく見てきた宍道湖の景色がガラッと変わって見えてきそうです。
夕方の宍道湖もいいですが、もう一つの風物詩しじみ漁を見て、食べて感じるのもいいのではないでしょうか!?
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取材先
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株式会社しじみ屋
代表 引野篤
住所 島根県松江市浜佐田町1097-17
電話番号 0852-61-4238
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