日本最古の海苔!?<br>十六島海苔が美味しすぎた件
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2022/03/01 Tue

日本最古の海苔!?
十六島海苔が美味しすぎた件

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「十六島」これは島根県にある地名なのですが、なんと読むかわかりますか?
正解は...


「うっぷるい」です!
こちらの変わった地名の十六島では、十六島海苔という高級な海苔が獲れます。
この地方では、よくお正月にこの海苔をお雑煮に入れて食べられているそうです。
こんな感じ!

美味しそう~(*´ω`*)

今回は、そんな十六島海苔を販売する株式会社海産物松村の平石直大さんにお話を伺いました。
とってもフレンドリーな方で、楽しい取材となりました(^^♪

1.幻の海苔、十六島海苔とは!?

━━━━そもそも十六島海苔は他の海苔とは何が違うんですか?
味付け海苔や佃煮のイメージが強いと思いますが、そういった加工した海苔ではなく、十六島海苔は生の状態というのが大きな違いです。繊維がしっかりしていて、ジャキジャキとした歯応えのある食感と磯の強い香りが十六島海苔の特徴です。ネットなどに養殖してある海苔の商品はよくあるものですが、十六島海苔は岩に生えている海苔を手で摘み取ったまさに人の手が一切かかっていないものを採取した海苔なんです。
━━━━100%天然のものが手作業で摘まれているのですね(゚д゚)!その十六島海苔はどのように加工されているのですか?
海苔を手で摘み、御簾に伸ばし全面に張り付けて日陰干しで乾燥させたあとに剥がすと生海苔の完成です。
━━━━意外とシンプルなんですね。
はい。でも問題なのが、海苔を摘むときなんです。十六島海苔を摘む時期は、ちょうど日本海が荒れる12月から2月末までの間だけなんです。
━━━━あっ、たしかに冬に日本海行った時荒れてました!
波打ち際に生えた海苔は、波しぶきが当たるため機械も入れません。そのため「シマゴ」と呼ばれる女性によって手で摘まれます。さらに最低平均気温が5℃を下回るほどの極寒の日本海で、波打ち際までに足場の悪い山道を30分ほどかけて降りなければならない危険な作業です。

↑荒れた日本海で海苔を獲る「シマゴ」
(画像引用:https://www.iwanori.info/SHOP/tsukudani0020.html

海苔を摘む方のことを十六島で「シマゴ」と呼ぶそう!

━━━━「シマゴ」という人たちは命がけで海苔を摘まれているのですね。
高齢化も進んでいて、人数もどんどん減っています。
また、波が上がらないと海苔に栄養分が来ないし、天気がいい日がないと育ちません。
だから実際に現場に行くまでは行ってみないと生えているかどうかもわからないんです。
━━━━30分かけて行ったのにないかもしれないということですか!?
そうです!海苔自体を取りに行くまでが大変なんです。
天然ものなので、年によって収穫量が少なかったり、品質に違いがでたりします。
━━━━どのような違いが出るのですか?
海苔は緑のイメージが強いですが、昔から「紫菜」という漢字が使われていたように、本来は紫がかった黒色をしています。
中でも、黒くてツヤのある海苔が良質とされており、十六島海苔は女性の艶やかな髪の毛を意味する「かもじ海苔」とも呼ばれるほど、綺麗な黒色をしています。
でも、日に当たりすぎるとツヤがなくなったり変色し、香りと味に影響が出てきてしまいます。

2.日本最古!十六島海苔の歴史

━━━━日本最古の海苔と言いわれている十六島海苔はいつごろから食べられているのですか?
「播磨国風土記」や「肥前国風土記」といったその土地のことを詳しく記している風土記というものがいくつか存在していますが、その多くが一部欠損していたり、発見されていなかったりします。そんな中、唯一完全に書物の状態で残されているものは「出雲風土記」だけなんです。
733年(天平5年)に記された「出雲風土記」に出雲の十六島の場所にあたる土地で獲れる海苔がすごくいい海苔だと書いてあります。
「出雲風土記」に海苔が挟まっていたとも言われています。
━━━━そんなに昔から食べられている海苔なんですね。その頃からお雑煮として食べられているんですか?
海苔だけを食べていたそうです。
江戸の頃になると、茶席の文化でお茶と一緒に、お吸い物にいれて食べられるようになりました。
室町時代に盛んになった茶道文化の影響を受けて精進料理、茶席のお吸い物として使われることが増えたみたいです。
━━━━松江のお茶の文化ともリンクするんですか!
松江の松平不昧公(まつだいらふまいこう)という大名茶人は、十六島海苔をお茶席で振る舞ったり、お土産に持たせたりしていたそうです。
松平不昧公には、十六島海苔にまつわる有名なエピソードもあります。お茶会を主催する際に、十六島海苔を張り合わせた羽織を着てお茶請けを用意せずに、海苔でできた羽織を脱いで自ら食べて見せ、客にも同じ様に振る舞ったという有名なエピソードがあるほどです。

松平不昧公(画像引用:http://ww2.sanin-chuo.co.jp/special/ocha/fumaikou.php)


━━━━羽織にできるほど繊維がしっかりしているんですね( ゚Д゚)!
縦に繊維が入るように作られており、横に引っ張ったらちぎれるけれども縦は方向ではハサミで切らないと切れないような工夫がされていたんです!

3.十六島海苔の食べ方

━━━━お雑煮以外におすすめの食べ方はありますか?
しょうゆベースの汁に海苔を浮かべるお吸い物ですね。
あとはたらこパスタに混ぜると磯の香りがふわっと引き立って美味しいです。
うどんとか蕎麦とかの薬味として食べるのもおすすめです。
また、おにぎりに巻いて食べると海苔のジャキっとした食感と天然の塩味で最高です!
━━━━やっぱり香りが強いから良いアクセントになるんですね!

4.だしマルシェとは?

https://www.iwanori.info/SHOP/yakunorisoup5pac.html

━━━━十六島海苔以外で海産物松村のイチオシ商品はなんですか?
島根県では、県魚とされるほどトビウオが獲れるんです。
日本海に浮かぶ隠岐の島などでも、トビウオから出た「あごだし」が家庭でよく使われています。そんな「あごだし」を使った商品を海産物松村では「だしマルシェ」として売り出しています。
「あごだし」は九州でも有名ですがトビウオをまるまる焼いて出汁を取るのに対して、海産物松村では、頭や内臓などの苦味や臭みが出る部分を全て取り除いて乾燥させたトビウオを使うのであっさりした出汁になるんです。
十六島の隣の塩津(しおつ)という漁港で獲れたトビウオを使っ
ています。そんな「だしマルシェ」の中でも「あごだし仕立ての焼きのりスープ」という商品の人気があります。スープといってもお吸い物みたいな感じで、入れてお湯を注げばすぐできます。ご飯にかけてお湯を注いでお茶漬けにするというのも美味しいです。

━━━━簡単なので一人暮らしの方にも良さそうですね!

5.新型コロナウイルスによる影響

十六島海苔自体に関しては、お正月に地域の方が食べられるためほとんど例年通りに買いに来られました。しかし、空港やお土産屋さんに出している十六島海苔を使用した佃煮などの商品は注文が少なくなりました。県をまたぐ移動をするがが少なくなっているので手土産やギフトなどが売れにくい状況です。
━━━━何か取り組みされていますか?
通販サイトでの販売が例年に比べて踏ん張っています。そのため、できる限り通販でのサービス面を向上させたり、イベントに力を入れたり、新商品を作ってインターネットでアップするなどをしています。
━━━━イベントというのは?
送料や、ギフトをお値打ち価格にするといったセールを行っています。

6.今後のビジョン

昔から十六島海苔が好きで食べてくださる方がいるので、天然物ですができる限り品質の良いものを提供できるように努めていきます。
加えて、食べ方がわからない人などにも興味を持ってもらえるような新しい提案をしたいと思っています。
いつまで続くかわからない新型コロナウイルスの影響の中でインターネットの発信などをどう上手く使っていくかという取り組みが、目の前の対策でもありますが、今後も続けていかなければいけないことですね。

7.最後に、全国の皆様にメッセージ

島根県は出雲大社や宍道湖のしじみがありますが、イメージするものが少ないですよね。でも来てみるとすごく素敵なものがいっぱいあるんです。
僕も島根県出身ではなく、関西から出てきて6年目になるんですが、6年経って知らない素敵な食べ物や景色がまだまだあると思います。そのうちの一つとして皆様に十六島海苔の良さを知って欲しいです!
━━━━この平石さんの想いにとっても共感しました。他の人にあまり知られていない魅力に触れることはとてもワクワクします!今回の取材では十六島海苔の食べ方や「シマゴ」さんの苦労、歴史に触れることができました。この私のワクワクを皆様にシェアできればいいなと思います!

8.おまけ

なんと今回、こんなにお土産を頂いちゃいました(*^^)v

人生初の十六島海苔を堪能です!

瓶の蓋を開けた瞬間、海苔のいい香りが「ブワっ」と広がりました。

今まで食べていた海苔の佃煮に比べ、繊維がしっかりとしていたので食べ応えもありました! お箸が止まらない(気づけばおかわりしていました…笑)

こちらは近年マクロビとしても注目されている隠岐の島産のあらめを使用した「天日干し荒布」という佃煮です。 あらめはスーパーフードとして今話題となっていて、鉄分・カルシウム・食物繊維などの栄養価が豊富に含まれています。

瓶を開けてみると…

あらめがゴロゴロ入っていました!
こちらはゴマとあらめの絶妙なハーモニーで、これまたとっても美味しかったです(´▽`)

こちらは5月に発売されたばかりの新商品「十六島海苔入り梅しそ佃煮」です。

筆者は梅が大好きなので、こちらの味付けとってもお気に入りです(*^_^*)

皆様もぜひ味わってみてください。
きっと十六島海苔の虜になるはず!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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取材先

取材先画像

海産物松村

住所:島根県出雲市平田町7618

営業時間:8:30~17:00(定休日:日曜・祝日/場合により水曜)

電話:0853-62-5845

imstaglam:https://www.instagram.com/iwanorikoubou_shimane/

Facebook:https://www.facebook.com/uppuruinori.tuuhann

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCB1efMcwu-0hLpjKiiLbwqQ(岩のり工房チャンネル)

 

~購入場所~

岩のり工房、通販サイト(https://www.iwanori.info/)

※1年中十六島海苔が買えるのはこの2つだけ!

出雲大社や松江城付近のお土産屋、駅中(松江、出雲)、空港、サービスエリアでは十六島海苔を使用した佃煮が購入できます。

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