今日、若者を中心に「和菓子離れ」がおきていると言われていますよね。
実は筆者も最近は洋菓子を食べる機会ばかりが多くて、和菓子ってよく分からないといった率直な意見がありました。そこで日本の伝統でもある「和菓子」のことをもっと知りたい!また、進化していると噂のあのスイーツについて知りたい!と思い、今回はご縁の国、島根県出雲市にあるお菓子屋さん『吉岡製菓』の専務取締役 兼 職人である吉岡 洸さんにたっぷりお話を聞いてきました!!
スイーツ大好きな皆様!研究データや理論を追求しがちな理系出身の皆様!!
是非読んでいってくださいね^^♡
(⚠︎理系大学院生の筆者は、このお菓子の話を聞いて一気にファンになりました⚠︎)
目次
お菓子屋さんが考える現在の和菓子とは
筆者:
こんにちは!
私、島根大学で大学院生をしてます中村と申します!よろしくお願いします!
吉岡さん:
はい!よろしくお願いします〜!
筆者:
それでは早速、現在の若者の「和菓子離れ」について、吉岡さんはどの様に感じていますか?
吉岡さん:
確かに広く見れば「和菓子」をあまり食べなくなったと思いますね〜。
筆者:
やっぱり作る側もその様に感じているんですね〜。
その原因はどこにあると思いますか??
吉岡さん:
「和菓子屋」は伝統を重じているお店が多いと思うのですが、この「伝統」が良くも悪くも現在の状況を作っているのではないかなと思います。100年前のことを100年後の人に全く同じ様にやっても通じないですからね。
筆者:
確かに100年も経てば味覚の変化であったり流行りの味であったりは変わりますもんね…そう言われてみれば今の若者離れは納得です…
筆者、正~~~~~~直
和菓子=地味 と思っていました。
でも可愛すぎました…。
気付けば写真パシャパシャが止まりませんでした。
それすごく優しい味で美味しかった…23年間もったいないことをしたな…
絶品近代的スイーツの裏側① 和菓子と洋菓子の融合
筆者:
それでは少し立ち返ってみて、吉岡さんはそもそも「和菓子」「洋菓子」をどういうものだとお考えですか?
吉岡さん:
僕は未だに両者の区別というものはできていません。
ただ一般的な話でいうと、「洋菓子」は視覚的にうったえるものが多いですかね。一方で「和菓子」は、表現の仕方が抽象的で、奥ゆかしさがあって日本人らしいイメージですね。
筆者:
確かにそうですね〜。
ただ両者を区別できていないとおっしゃられていましたが、この感覚はお菓子作りにおいてもそうですか?
吉岡さん:
そうですね。僕は何が「和菓子」で、何が「洋菓子」なのかという答えが出ていないからこそ、両者を特別分けて考えずに、「自分たちらしい」お菓子を作ろうと思ってやっています。
筆者:
なるほど!!
よくメディアで、ジュエリーボックスのお菓子は「洋風チックに仕上げた和菓子」と伝えられていますが、結果的にそういう完成形になったというだけで、「和菓子」と「洋菓子」の垣根を超えた「自分達らしさ」を追求した上でのことだったのですね!
吉岡さん:
まさにそうですね!「ただ“和菓子”を洋風チックにしただけじゃない!」って言いたいですね(笑)
筆者:
なるほど〜!でも「和菓子」と「洋菓子」を分類しないとなると言葉選びが難しくなりますね(笑)
吉岡さん:
ふふっ(笑)いいですよ、「和菓子」、「洋菓子」と言っていただいて(笑)
絶品近代的スイーツの裏側② アレルギーがある人でも食べられるものを
筆者:
わかりました(笑)
では、いわゆる「和菓子」に分類されるジュエリーボックスは作る上で何を大切にしましたか?
吉岡さん:
まずは誰に食べて欲しいのか、というゴールをしっかりと持つということですね。ここだけは完成するまで絶対に軸を曲げませんでした。
筆者:
なるほど、実際にどの様なゴールを目指したのですか?
吉岡さん:
ジュエリーボックスは、「アレルギーのある人でも食べられるお菓子」というゴールを目指してやっていました。
筆者:
そうなんですね!
ただ、アレルギーがある人でも食べられるお菓子って他にも正直ありますよね?
どこを他と差別化したのですか?
吉岡さん:
確かにそういった名目の商品は他にもありますね。
でもそういうお菓子って見た目があまり綺麗ではなかったり、美味しくなかったりしませんか?
筆者:
確かに…。「写真映えとかする様な見た目か?」と言われたら微妙ですね。
吉岡さん:
やっぱりそう思われますよね。
なので私たちは、見た目が綺麗で、味もおいしい、アレルギーの人でも安心して食べられる、皆で共有できるお菓子を目指しましたね。
筆者:
なるほど!
確かにこのジュエリーボックスの商品はどれも美しい見た目をしていますよね!
そんな裏側があったとは知りませんでした。
筆者、おそらく仕事の収入全部これに費やすだろう
悔しいが全部可愛い。
(何に悔しがっているかるかは謎)
絶品近代的スイーツの裏側③ 品質の追求と地域貢献
筆者:
ジュエリーボックスはフルーツ細工ということで、品質を一定に保つことが難しいのではないかなと思うのですが、何か工夫はされていますか?
吉岡さん:
私たちは四国を中心とした数多くのイチゴ農家と契約をし、農家からイチゴを全て買取り、その中から厳選したもののみ、お菓子に使用しています。
筆者:
どうして良いもののみを買うのではなく、全てを買い取るという選択にしたのですか??
吉岡さん:
私たちのお菓子の生命線ともいえるイチゴの品質の確保のためには、イチゴ農家さんの力が必要不可欠になってきます。
イチゴ農家さんの暮らしの確保をすることが、美味しいイチゴを獲得するための条件だと考え、全部買取りをしてこちらで選別をする、ということをしています。
筆者:
なるほど!利益はイチゴの品質を確保する為だけでなく、農家の方々の暮らしの確保にも利用されていたのですね!
地域貢献という面でも素晴らしい考え方だなと思いました…!
良い意味で農家さんから「お菓子に使って欲しくない」と言われるほどの最高級のイチゴを使用しているんですって…
店内にはたくさんの「企業物語」が飾ってありました。美味しいお菓子ができるまでの
歴史をみることができて面白かったです^^
そして、必死に撮影をする筆者が映ってしまった…
絶品近代的スイーツの裏側④ 科学の力
筆者:
このジュエリーボックスのお菓子は5層もの層構造があるとされていますが、普通にイチゴと餡をお餅で包む方法ではダメだったのでしょうか?
吉岡さん:
実はこれには「科学」の発展によって解明された「糖度移行」と「水分移行」いうのが関係しているんですよ。
筆者:
トウドイコウ…ですか…????? ?? (インタビュー中、漢字が分からず頭の中大混乱)
吉岡さん:
糖度移行というのは簡単にいうと、2つの材料間で糖度が異なる時に糖度が移行する現象のことを言います。なので、多くの場合、2つの材料間で糖度を同じにするということがされています。
筆者:
なるほど!
では糖度移行を防止するために糖度を同じにしているのですか??
吉岡さん:
実はなんですが、糖度移行についての研究が進むにつれて、同じ糖度でも糖度移行が起こってしまうということがわかってきたんですよ。
筆者:
えっ!?そうなんですか!?ではどの様に克服しているのですか??
吉岡さん:
私たちは研究所と共同研究をして、どの様にしたら移行が起こらないか、ということを徹底的に追求してきました。
残念ながら、まだ糖度移行が起きる理由の解明はされていないのですが、特殊な方法でそれぞれの材料を膜で保護することでこれを克服することができました!!
筆者:
科学者の専門的知識をもとに研究を重ねて特殊な保護方法をあみだしたのですね…!!
でもそれだけ保護膜を作るとかなり分厚いお菓子になってしまったんじゃないですか??
吉岡さん:
おっしゃる通りで、そこもたくさん苦労しました。
この点も科学者との研究を重ねて、糖度が行き来しないギリギリの「薄さ」と「水分量」を見つけ出しました。そして確実にこの薄さに仕上げるために、特殊な道具を使用して完全手作業でお菓子を作っています!
筆者:
研究データに基づいて計算された薄さだったのですね…。
私自身理系人間なので、数値データという根拠があるという点にとても惹かれました(笑)
吉岡さん:
いや〜科学は本当に奥が深いし面白いですよ〜。
それに数値として出てくるので、こちらも確信を持って美味しさを保証することができる様になりました!
筆者:
確かに理由付けがしっかりできますもんね!!
しかも、この薄さを忠実に再現するために特殊な道具を使用しさらには手を触れないなんて!!てっきり機械かと‥。
吉岡さん:
機械を使用することで、一切手を触れずに作り上げることができる様になったので、手の暖かさで果物の鮮度を落としてしまうことも避けることができましたし、コロナウイルスで騒がれている衛生面もクリアすることができました!
筆者:
なるほど〜!!一石三鳥ですね!!
よく見ると小さな星がちりばめられていて、とっても可愛いんです
絶品近代的スイーツの裏側
⑤ 妥協しない
筆者:
ただ、今までお話を聞いていると、かなり研究に時間をかけているなと思ったのですが、この商品はできるまでにどれくらいかかったんですか?
吉岡さん:
5年ですね。
筆者:
ご、ご、5年ですか!?赤字にはならなかったんですか!?
吉岡さん:
まあ、5年かかってしまったので最初の頃は、あまり利益はありませんでしたよ。でも「これなら他に負けない!」って思えるまで続けました。
筆者:
5年間も妥協せずに理想に向かって突き進んだんですね。
美味しさの裏に隠された努力量が計り知れないですね…
吉岡さん:
やっぱり妥協したくなかったので、自信が持てるまで、根気強くやりましたね。
筆者:
ひたむきに研究開発される姿勢に完敗です…。
私も大学院での研究を頑張らなければいけないなと思わされました(笑)
今後も研究所との共同研究は行っていくのですか??
吉岡さん:
はい!今もずっと行っています!!
科学の力によって、100年かけて作っていたものを大幅に短縮できたり、根拠のしっかりした美味しさを提供することができたりすると思っています!
筆者:
今後の新商品も楽しみにしています!!本日はどうもありがとうございました!!
~たれ込み情報~
近いうちに共同研究によって大ヒット間違いなしの新商品が2つも生まれるかも…!?
絶品近代的スイーツ『ジュエリーボックス』の購入方法について
ここまで読んでいただけると、だんだんと吉岡製菓のお菓子やジュエリーボックスのお菓子を食べてみたくなってきませんでしたか?
ちなみに筆者はこの記事を書きながら、ず〜っと美味しそう…って言っておりました
吉岡製菓のお菓子は、島根県出雲市にある「御菓子司よしおか」を初め、Yahoo! Japanショッピングの公式サイトからも購入することができます!
ただし、1つ1つ丁寧に製作している為一日20個限定販売となっています!
数量が限られているので、食べてみたい!と思った方は下のURLから是非お店を覗いてみてください^^
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取材先
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株式会社吉岡製菓
御菓子司よしおか
電話:(0853)72-4566
住所:〒699-0502 島根県出雲市斐川町荘原3940
営業:9:00~19:00
休み:火曜日
備考:駐車場有(最寄り駅:JR荘原駅)
情報:http://yoshioka.shimane.jp/index.html#yahoo-shop
公式オンラインショップ