こんにちは島根大学一回生の飯隈です。
突然ですが、皆さんそばはお好きですか?
ぼくは小さいころからざるそばが好きでよく食べていました。年越しそばもおじいちゃんと一緒に作ります笑
そんなそば好きの僕が今日、取材させて頂いたのは中国地方を中心に11店舗を展開されている老舗出雲そば屋「一福」さんの本店です。本店は1000mを越える山々に囲まれている島根県飯南町頓原にあります。頓原は寒暖差の激しい気候で、豊富な雪解け水もあるのでそば作りに適した土地なんです!!
初代から現在の四代目に至るまで変わらぬ美味しさを提供し続けている一福さんは、当初はイートインだけの店でした。しかし、店のつゆやそばをお家でも食べたい!!というお客さんの要望に応え、自社工場での製造も開始しました。すると、「日本ギフト大賞2016都道府県賞」の島根部門を「奥出雲セット」が受賞しました。毎年、島根県で1社のみ選ばれる賞で、受賞した年はやはり注文が多く、ヒルナンデス等の全国メディアでも取り上げられたそうです!!
今回は変わらぬおいしさを提供し続けている職人さんのお話とそばを製造している自社工場見学もしてきたので是非最後まで読んでいってください!!
【今回お話を聞いたのは、、、】
総料理長 「根來川(ねごろがわ)さん」
出身は島根県安来市で小さいころから大のそば好き!
地元島根大学で教員を目指しながらも飲食店でバイトを
経験し、そばの魅力に取りつかれました!!
手打ちでそばをしたいという熱―い思いから一福に入社!!
目次
第一章:職人さんのそばへのこだわり
①そばの魅力
今日はよろしくお願いします!!
早速ですが、そばの魅力について教えてください!!
よろしくお願いします!
僕の中でそばはアレルギーがなければパーフェクトフードだと思っています。なぜなら美味しいし、ビタミン、ミネラル、食物繊維もあるので健康にいいんですよ。
確かに!!美味しいうえに体にもいいなら一石二鳥ですね!!
では、そういったそばの美味しさや健康的な部分に魅了されたのですか?
もちろん、それもあります!!けど、単純に見えて繊細なそば打ちの奥深さに取りつかれたのが一番ですね笑
繊細なそば打ちの奥深さ??とても気になるので詳しく教えてください!
僕はそばが一番他の麺類と違う部分はやはり香りかなと思います。そばの香りとつゆの香りがマッチするというのが一番大事だと思っています。そばは挽き方一つで香りなどが全く変わってくるので食べ方がシンプルだからこそ細かい部分にこだわることが非常に面白いと思っています!!
確かにおいしいそばは香りが非常にいいですよね!お店に伺ったとき、そばの上品なにおいが鼻から伝わってきました!!美味しいそばを作るにはやはり細かな部分へのこだわりが重要だと再認識しました!!
②一福のそばの香りとつゆの味わい
一福のそばの香りとつゆの味わいの特徴を教えてください!!
うちでは「一本挽き」という挽き方でそば粉を作っているのでそばの風味が非常に強いです。そばの風味に負けないためにうちのつゆは甘辛いんです。このつゆは初代から受け継がれてきたものでうちの秘伝のつゆです。
(秘伝のつゆについては後ほど、工場長から詳しくお話があります。)
【いいくまくんメモ(一本挽きについて)】
一般的なそばは外皮を除いたむき身でそばの実を挽きますが、出雲そばは外皮を剥かずにそのまま挽くんです!この外皮を剥かずにそのまま挽く製法を一本挽きといいます!!
③そば作りでのこだわり
そば作りをする上で大切にされている点はどこですか?
温度、湿度は冬場、夏場で異なってくるので水と粉を同じ量だけ加えてもそばは同じ状態にはなりません。ほんのちょっと違うだけで状態が変わってしまうので、そこの見極めを慎重にやっています。水分が少し多いと感じたらこねる強さを変えるなどしてリカバリーしています。
また、そばの良さを決めるのは「そば粉と水をかき混ぜる時間をいかに早くするか」なので大切にしています。そうすることで切れにくく美味しいそばに仕上がります。
僕も毎年おじいちゃんとソバを作っているので少しわかるのですが、本当に少し水を加えただけでそばの軟らかさが変わってくるんです。そこをこねる強さなどでカバーしていく根来川さんは本当にすごいと思います。僕もそば粉と水をかき混ぜる時間を早くするということを意識して頑張りたいと思います。
④一番人気のメニュー
一番人気のそばのメニューはなんですか?
圧倒的にマイタケの天ぷらそばです!!
(注:正式名称は舞茸天婦羅そば)
即答ですね(笑)
人気の理由を教えてください!!
やはり、マイタケとそばが非常に合うんです!!
マイタケは近くの飯石森林組合さん( 飯石森林組合|森林整備事業|販売事業|農林産物加工・特産品生産|竹林整備事業|住環境整備事業| (ii-mori.jp) )から仕入れています。
一般的なマイタケは少しえぐみがあって苦手と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ここのマイタケは全然嫌なところが一つもなくて甘味だけなんです!!
甘味だけ!僕の家では鍋にマイタケを用います。その時どうしてもえぐみを感じていたんですよね笑。今度鍋をするときは舞茸センターのマイタケを使ってみようと思います。貴重なお話ありがとうございました!ぜひ皆さんも本店に訪れた際には舞茸天婦羅そばを食べてみてください!!
第二章:工場見学
ここからは工場見学へ向かいます!
①製粉
【工場でお話を聞いたのは…】
工場長 渡部さん
優しい笑顔で楽しそうにそば粉の製造について語ってくれる方です。そのあまーいマスクと異なり、一福の今後のことになると熱く語ってくれるのが印象的でした!!
ここからよろしくお願いします!!
早速ですが、ここは何をする場所ですか?
よろしくお願いします!
ここはそばの実を石臼で挽く作業を行う場所です!!
おー!!先ほど料理長から「一本挽き」というものをされていると聞いたのですが、それをここでされているのですか??
そうです!!
「一本挽き」という製法で石臼を用いてゆっくり引くことでそば本来の香り高いそばを作ることができます。
さらに石臼挽きでいいのは粒の大きさが一定ではないところです。
僕はよく知らないので粒が一定の方がいいのでは?と思ってしまうのですが…
製麵をするときに大きいものと細かいものがあるとくっつきやすく、しっかりとした麺ができあがります!また、食感が滑らかで、しっとりとしたものになります。
一本挽きという製法なので、そばの実を丸ごと挽くことは前にも述べました!その際に外皮(写真の黒いもの)は粉にはならずに出てきます。そばの実を丸ごと挽くといっても外皮の部分は粉にはならずに出てくることがわかると思います!
②製麺
ここでは製粉したものを半生、本生と呼ばれる商品にする作業を行っています。粉と水を一緒に入れてそれを攪拌したものをローラーで巻き取り、それを切り出し器でさらに薄くして製麺を作っていきます。
【いいくまくんメモ】
一福の本生そばは半生そばよりも加水率が高く、蒸気殺菌を施さない非加熱製法でそばの風味を大事にしているそばです。また、半生そばは加水率を下げることで常温保存を可能にしたそばです。
ここの作業でこだわっておられる部分はどこですか?
「そばの水分量を高くすることです。」高い方が香り高いものに仕上がるのでそこにこだわっています。そばの実の時点での水分量が16%となっています。うちの場合、商品の生そばの水分量は30%、半生は20%としています。
③つゆ製造
代々製法が受け継がれてきているつゆであるとお聞きしました!!
つゆの製造でこだわっておられる部分はどこですか?
「ストレートつゆ」で提供させていただいている部分です。
「店と同じつゆの味を引き出す」という点で濃縮をするのではなく、ストレートつゆにこだわってやらせていただいています。(ストレートつゆとはつゆを薄めたりすることなくそのままそばにかけるつゆのことです。)
一般的にストレートつゆは保存期間が短いですが、商品化するにあたって工夫した点はありますか?
「滅菌機にだしを通じて菌を死滅させる」ということを行っています。ストレートつゆは菌が繁殖しやすいのでそれを改善したことにより、保存期間が長くなりました!!
しかし、菌が作用して旨みや深みが出てくるのでどこまで滅菌するのかという部分には頭を悩ませました。
苦労された分だけ、旨みが詰まっているのですね!
そんな、苦労して製造されたつゆを実際に見せてもらいました!!
一回500ℓの量を一週間で四回作り、合計で2000ℓ分つゆを作ります!!そうしてできたつゆを上記の写真の容器(サーモタンク)に入れて、5度の温度に保って保管しています。
このつゆが置いてある部屋に入った瞬間からつゆのいい香りが鼻に伝わってきました!!
そしてこの機械がつゆの保存期間を延ばした滅菌機です!!
⑤これから
うちのそばは基本的に二八そばという小麦粉とそば粉を2対8で混ぜて作っているものです。これからはそば粉が10の十割そばも開発をどんどん進めていって、皆さんに食べていってほしいですね。
そば好きとしてはやはり十割そばを食べたい!!と思いますね笑
それが一福さんの商品ならなおさらなので十割そばができることを心から楽しみにしています!!
【感想】
職人さんたちのこだわりを聞いて、さらに自分のそば愛が深まっていくのを実感しました。
一福さんから頂いた八割純生そばと購入したマイタケで早速マイタケの天ぷらそばを調理してみよう!!と思い作ってみました笑
八割純生そばは昼夜の寒暖差が激しい高原気候の地元飯南町で玄そばで作られたものです。詳しくは一福さんのホームページをチェック↓
食べた瞬間に、鼻からいい香りが抜けていって非常に美味しかったです。また、その香りに負けじとつゆの甘味が来てハーモニーを奏でいるような笑
マイタケも全く臭みがなかったです!!今度は本店で食べてみたいです!!
ホームページ
https://www.ippuku.co.jp/
オンライン販売もやっているのでぜひこちらか らお買い求めください!!!!
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取材先
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有限会社 一福
(本社事務所)
〒690-3207 島根県飯石郡飯南町頓原2322
TEL 0854-72-0006
FAX 0854-72-1006
URL 【公式】奥出雲そば処一福|出雲そばの通販・お取り寄せ|島根県【敬老の日にも】 (ippuku.co.jp)<店舗一覧>
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