島根の女子大生が行く。山陰コーヒートリップ!~CAFFE VITA編~
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2023/04/18 Tue

島根の女子大生が行く。山陰コーヒートリップ!~CAFFE VITA編~

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島根の女子大生が行く。山陰コーヒートリップ!~CAFFE VITA編~

常識を覆す「CAFFE VITA」の世界へようこそ!!
コーヒーがお好きな方も、そうでない方も、コーヒーの概念が変わります。

今回は、そんな深みのあるコーヒーワールドをご紹介します。

目次

1. 「CAFFE VITA」について

コーヒー界のレジェンドこと店長の門脇さんにお話を伺いました。
優しくたくさんのことを教えてくださいました。

赤い外観がかわいいです!

初めに、コーヒーとの出会いについて教えてください。

父がコーヒー屋をしていたことが原点です。まさに店の入り口が家の入り口でした。
豆を焼いた香りが心のどこかに残っているのだと思います。

素敵ですね。お父様のコーヒーを飲んで育ってこられたんですね。

このコーヒーに対する気持ちもDNAだと思います(笑)。
実は、兄も日本で3回チャンピオンに、アジア初の世界2位にもなりました。また、兄と僕でメーカーさんとコラボさせていただいています。父と兄と僕とでみんなバラバラに店を経営して、それぞれの味を追求しています。

まさにコーヒー一家ですね!
次に、「CAFFE VITA」の由来について教えて下さい。なんだかFが多いような気がするのですが…

イタリア語で「エスプレッソ」は「CAFFE」、「VITA」は「生活」という意味です。エスプレッソ発祥の現地では、老若男女がコーヒーを楽しんでいました。お客さんのサードプレイスとして、コーヒーを生活に取り入れてほしいという願いを込めています。

お客さんとコーヒーへの想いが詰まった名前なんですね。
門脇さんはたくさんの大会に出場されていますが、印象に残った大会はありますか。

これまでの大会で一番思い出深いのは、2003年のジャパンバリスタチャンピオンで準優勝したことです。兄は優勝して、妻も準決勝進出だったんですよ。
次に、2008年のUCCマスターズエスプレッソ部門の全国大会で優勝したことです。この大会ではプレゼンもしました。

すごいですね!
門脇さんは大会で輝かしい記録をたくさん残されているのにも関わらず、ここ島根県松江市でお店をされているのはなぜですか。

第一に、実家が安来というのが大きな理由です。兄の店も安来にあります。父の店へ車ですぐに駆け付けることもできるし、当時松江にエスプレッソの店がなかったので松江に決めました。

「CAFFE VITA」は門脇さんとご家族とのコーヒーの繋がりが素敵です。また、地域の憩いの場としてもぴったりですね。

2. 「CAFFE VITA」のここが凄い!① お店のこだわり

お店のこだわりについて教えて下さい。

まず、店内は生活という意味の「VITA」なので、木や暖色系の照明などを用いて家の延長線上のようなイメージにしました。コムデギャルソンの店のデザイナーに手掛けて貰いました。切ったような直線的なデザインです。窓を広くとることで明るく、ヨーロッパのカフェのようなアットホームなイメージに仕上げました。

店内は柔らかい光に包まれていました。

そして、店の機器も特別なものを使用しています。
エスプレッソマシンは日本に一台しかないものです。車が買える値段ぐらいしますよ。

店の入り口からも見える焙煎機です。これは世界に一台しかなく、1963年に作られた古いものです。これも小さい家なら建つぐらいの値段です。  
それらが松江にあるのは面白いですよね。

貴重な機器ばかりで驚きました!

そして、「CAFFE VITA」さんは2022年11月27日で20周年を迎えたそうです!!
20年お店を続ける際に、大変だったことはありますか。

「嘘をつかない」ことです。馴染みのお客さんは、コーヒーの味が少し変わるとすぐ分かります。うちはブラジルに農園を持っているので、お客さんに信頼できる味を提供できます。これからも、全力で仕事をして、店には生涯立つようにしたいです。

常にコーヒーとお客さんに誠実であろうとする「CAFFE VITA」!
そんな魅力が存分に感じられる店内でした。

3. 「CAFFE VITA」のここが凄い!② コーヒーのこだわり

コーヒーのこだわりについて教えて下さい。

こだわりという言葉はあまり好きではないというか、少しむず痒いです。なぜなら、それは僕ではなくお客さんが言うことなんですよ。最高の機材や素材や技術を、当たり前としてお客さんに提案したいです。一般の人ができないことを、僕たちがコーヒー一杯という形で表現しているだけなんです。

この店では、スタッフとしてエスプレッソを作るまでに最低3年はかかります。そうしないと、お客さんからお金を貰える味にならないんです。お客さんに飲んでおいしいねと思ってもらえることを一番に考えています。

特別なコーヒーによる非日常感を大切にされているんですね。

実は、コーヒーを飲んだら胃が痛くなるということは、コーヒー自体が腐っているからなんです。

そうなんですか!?

また、豆を焼いて酸化すると酸っぱくなるんですよ。コーヒーの苦みもマメが焦げている味なんですよ。これにミルクや砂糖を入れて味を誤魔化しているんです。
僕はそれを父から教えてもらいました。確かに、実家のコーヒーは酸っぱくなかったんですよ。このように、コーヒーは苦いのも酸っぱいのも当たり前になっています。

確かに、コーヒーは苦くて酸っぱいものだと考えていました。

若い子は甘いカプチーノとか好きな人が多いですよね。あれは味に対するアレンジなんですよ。若い子にも本当のコーヒーを美味しいと思ってほしいです。

例えば、エスプレッソは0.1℃単位で温度管理しています。0.3℃変化すると、自分では味の変化が分かります。ある意味コーヒーに対しては変態だと思いますよ(笑)。

経験を積み重ねることで行きつける境地ですね。

コーヒー以外にもお客さんに提供するものは、きちんと自分で作るようにしています。僕は元々パティシエだったんですよ。だから店のケーキも自分で焼いています。
パニーニのパンだけは特注ですが、最高のクオリティを保つようにしています。

コーヒーだけでなく、ケーキもプロのクオリティというのは嬉しい驚きですね!

本物のコーヒーを変わらない味で提供するという、コーヒーへの愛を感じました。

ここで門脇さんによる~コーヒー豆知識~
ミルクの量が150㏄~180㏄以下を「カプチーノ」と呼び、それ以上の場合「カフェラテ」と呼ぶそうです。
「エスプレッソ」は濃いため、それをお湯で薄めたものを「アメリカーノ」と呼びます。
ドリップする時は、お湯の太さを一定にすることがコツだそうです!

4.おすすめのコーヒーについて

コーヒーについて少し詳しくなったところで…おすすめのコーヒーを実際にいただきました!!

初めにいただいたのは、「ブラジル」です。これは、オリジナル農園で作られた豆を使用しています。コーヒー自体の苦みはありますが、いつも飲んでいるものと比べると苦みが喉に残らないと感じました。そのままで美味しいので、ミルクや砂糖を入れる方がもったいないと思いました。

このコーヒーはチョコレート風味だそうです!
また、冷えた状態で飲むと味が変わって、輪郭がはっきりしてきました。

次に、「モカ イルガチェフ」をいただきました。
元々の味が軽いため、冷めると味が濃くなります。
このレモンのような風味は、コーヒーが傷んでいる酸味とは全く違うもので、きれいに焼かないと出ない味だそうです。

後味はとてもさわやかで、温度の変化で味が変化することが面白かったです。

門脇さんおすすめのコーヒーの飲み方を教えてください。

ミルクや砂糖を入れる前にまずはブラックでお茶みたいに飲んでほしいです。
コーヒーというだけで苦くて酸っぱいと先入観が持たれがちですが、実際は違うということを知ってほしいです。
また、お客さんに合わせたメニューを提案するので、ぜひスタッフに相談してほしいです。

お客さんに寄り添うコーヒーで素敵ですね。
コーヒーが酸っぱくなるのはなぜですか。

傷んでいると酸味が強く出ます。
また、浅く焼くことに失敗して生焼けになると酸っぱくなることが多いです。
そのことを若い人にもっと知ってほしいです。

豆を焼く人が違うと味や香りが変わるので、自分好みに合ったコーヒー探しを楽しんでほしいです。

とても美味しいコーヒーをいただけて心が満たされました。
自分好みのコーヒーを探してみたくなりました。

5.今後について

今後の目標について教えて下さい。

一つは、セミナーなどで後輩育成に力を入れたいです。
もう一つの目標は、「コーヒーの病院」みたいな存在になりたいです。メーカーとのコネクションがあるから、問題を抱えた人とメーカーを繋げることができます。そして、豆のことやコーヒーのことはうちに来ればなんとかなるという存在になりたいです。

コーヒーの病院は素敵ですね!

これまでの15年ほどで受講生が1万人ほどいます。未来に繋がるような貢献をして、コーヒー業界を盛り上げていきたいです。
お客さんが電話でコーヒーについて相談してくることもありますよ(笑)。
とにかく店に来たらコーヒーに関することならなんでも聞いてみてください。

地域の活性化のためにも、本物を知っていただくためにも、僕はまだまだ登っていかなきゃいけないですね。
これからもVITAのマスターとしてやっていきたいです。
ゆくゆくはコーヒー版ミシュランもできたらぜひ取りたいですね。

今後も目標を掲げておられて、常に進化されていくことに感動しました。
門脇さんの「CAFFE VITA」とコーヒー業界の動向から目が離せませんね!

6.おわりに

(ところで、コーヒー豆が黒くないことに驚きました。)

コーヒー界のレジェンドと呼ばれる門脇さんの手で、本場イタリアにコーヒートリップしていました…!
そんな最高のコーヒーがいただける「CAFFE VITA」が島根県松江市にあります。
苦くて酸っぱいコーヒーの概念からはもう卒業です。

皆さんもぜひお気に入りのコーヒーを探しに訪れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。

【取材先情報】

CAFFE VITA
住所:〒690-0825 島根県松江市学園2-5-3
電話番号:0852-20-0301
FAX:0852-20-0301
メールアドレス:info@caffe-vita.com 
ホームページURL:http://www.caffe-vita.com
営業時間:10:00 ~ 18:00(定休日:木曜日)

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住所:〒690-0825 島根県松江市学園2-5-3
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FAX:0852-20-0301
メールアドレス:info@caffe-vita.com
ホームページURL:http://www.caffe-vita.com
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