たくさんの人に「けんちゃん漬」が愛される理由
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2021/06/03 Thu

たくさんの人に「けんちゃん漬」が愛される理由

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出雲市大社町の山や畑に囲まれたところに、ポツンと工場がありました。お店の名前は有限会社 けんちゃん漬。「なんでこんなところに?」「けんちゃん漬の社名の由来ってなんだろう?」たくさんの疑問を浮かべながら、工場の中に入りました。そこには、人情が深い社長さんと、そこで有意義に働く女性社員の姿がありました。

けんちゃん漬の由来

けんちゃん漬で作られている漬物の種類は、大根きゅうりといった馴染みのあるものから、セロリネギといった種類の漬物もあります。

では、なぜ「けんちゃん漬」なのでしょうか?

現社長の成相さんの父、成相賢二(なりあいけんじ)さんは、“けんちゃん”の愛称で親しまれ町の人にとってなくてはならない存在だったそうです。

そこで、”けんちゃん”が作っている”漬物店”であるため、成相漬物店からけんちゃん漬と社名を変更し、今になってもその名前が受け継がれているそうです。

また、訪れてすぐ立地について疑問に思いました。普通、町の近くにある方が必然的に人目に付きやすく、市場に出荷するにしても鮮度が落ちにくいため、最適ではないかと思いますが、実際には、出雲大社から車で15分ほど 町の外れにあります。この疑問に成相社長は、

「景色がいいから、ここに建てました。取引先にも、お客様にもこんな環境が素晴らしい所で作っていると知ってもらえたら、おいしさが想像しやすい。」

とおっしゃっていました。

確かに、窓から弥山が見え、季節が1年中楽しめます。春にはソメイヨシノが満開となり、取材時の秋は紅葉が広がって見えました。

こんな素晴らしい環境の中で、どのような方がどのような漬物を作っているのか気になりますよね。

取材時は11月。紅葉の色も徐々に色付き始めている頃。
春には満開のソメイヨシノが咲き誇る

女性社員の声

けんちゃん漬という会社は、女性社員の方が多かったです。漬物作りにあたっては、コンテナに入れて出荷する作業だったり漬物石を運んだりするため男性社員が多いイメージでした。しかし実際は、女性のきめ細やかさを生かせるような職場にしているといいます。

女性のきめ細やかさを生かせるような企業・団体として登録された証

そのため最新の機械を導入するよりも環境設備にお金をかけているそうです。例えば、机の高さです。およそ130cmの高さであり女性社員にとって作業しやすい高さに調整してあります。

積極的に社員とコミュニケーションをとられており、
皆が納得いく仕事場になっていると感じました。

実際に現場で働く方もこのように話をしています。
「見学当時から硬くならず、気軽に話すことができるような雰囲気でした。今でも作業がやりやすかったり、年齢にかかわらず誰とも話しやすかったりします。まるで家族のようです。」

さらに成相社長も
「出産や子供の行事など家庭で一番大事なことを犠牲にして欲しくない。誰もが働きやすいそんな会社作りをしていきたい。」と話されています。
このように家族への理解があってこそ会社に勤めることができるのですね。


今回取材に協力していただいた 右 : 成相社長 左 : 女性社員の方

けんちゃん漬が愛され続けている理由

 けんちゃん漬が多くの人に愛される理由は大きく2つあります。

けんちゃん漬けの魅力を話す社長

1つ目は
手間を惜しまず手作業で作っていることです。
けんちゃん漬はひとつひとつ丁寧に手をかけて漬かり具合を
見ながら製造していきます。
プラスもう1品欲しい時にも使えるサラダ感覚で食べる浅漬け
や青しま瓜の粕漬を昔ながらの製法で作っています。
包丁で丁寧に野菜を切ったり、
漬かり具合にムラがないように薄塩味で仕上げてあったりします。
都市部の方では、今時、手作業でやっている漬物屋というと
信じることが難しいかもしれないが、多少値段が高くなっても多くの作業工程を手作業で行うことで、野菜の鮮度を保ち、食感もよく、そしてさらに人の温もりを感じることができるような商品を提供しています。

2つ目は
日本の農家さんをリスペクトして、製造や出荷を行なっていることです。
けんちゃん漬は、日本の農業を助ける方法の1つとして地元で採れた野菜を使って製造を行っています。成相社長はこう言います。
「私たちの会社は農家さんたちがいて成り立つ商売である。けんちゃん漬として地元の野菜を使って、農家さん達がより元気になってくれたら・・」
きゅうり1本とっても、真っ直ぐ育てることが難しかったり大根は重さ別で出荷したりと卸す先の都合に合わせることが非常に大変だと理解しています。
それでも立派な野菜をニーズに合わせて供給してくださる農家の方々に敬意を払い、農家の方々に「けんちゃん漬」として恩返しすることができればと常に考えています。

また、けんちゃん漬は海外進出もしています。

ハワイのチラシでけんちゃん漬が紹介されている

ハワイには、多くの日系人の方が住んでおり、スーパーにあるたくあんは真空パックというかたちで売られていますが
しかし成相社長は
ハワイに今まで売っていたものは本物の浅漬けとは言い難い。フレッシュ感が物足りない。」と当時ハワイで売られていたものを食べて思ったそうです。

そこで、3年前から、ハワイにもけんちゃん漬が売られるようになりました。
品質を見定めながら、けんちゃん漬をハワイのスーパーで販売すると、3日間で即売り切れ。購入者の中には、泣いて喜ばれていた日系人もいたそうです。
このようにけんちゃん漬は、消費者だけでなく生産者も、日本の方だけでなくハワイの方にも、多くに人にも愛されています

こだわりの一品「雲太」

出雲大社のアンテナショップでも購入できる

けんちゃん漬のこだわりの一品として
「雲太(うんた)」を紹介します。
雲太は、大根を丸ごと使い、かんぴょうで
結び梅酢で漬けています。
実際に食べてみると
口の中に梅の香りが広がり、余分な水分が全然なくコリコリした食感で大変美味しかったです。
さらに、その他の漬物と比べてもサイズが大きく、食べ応えも抜群でした。

雲太とは、平安時代の出雲大社のことをいいます。
大根をシワシワにして、3本を束ね古代柱のようにして作ったそうです。この柱は、平安時代最も高い建造物とされていた出雲大社の証拠となる柱に因んだものとされています。
また、形はかんぴょうで巻いてあることから”縁結び”という意味があったり、唐辛子から、”魔除け”という意味があったりと多くのことが表現されています。

最後に

有限会社 けんちゃん漬は、農家の方にも消費者にも必要不可欠な存在なのだと感じました。けんちゃん漬という会社には今まで食べてきた漬物とは一段と違う漬物があり、その漬物は人の温もりを心の底から味わうことができるものです。

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取材先

取材先画像

出雲大社正門前出雲の手作り漬物けんちゃん漬

■本社工場
〒699-0731 島根県出雲市大社町遙堪403   
TEL:0853-31-9860
FAX:0853-31-9861
営業時間:9:00〜17:30 ※お問い合わせは本社工場にお願いいたします。
定休日:日曜日

■大社店
〒699-0711 島根県出雲市大社町杵築南840-1   
TEL/FAX:0853-31-4518
営業時間:9:00〜18:00(冬季は17:00まで)
定休日:不定休

ホームページ:https://kenchanzuke.com/

 

 

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