日本酒発祥の地で生まれた<br>進化を続ける日本酒のこだわりとは
お酒

2022/02/01 Tue

日本酒発祥の地で生まれた
進化を続ける日本酒のこだわりとは

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皆さんの地元には有名なお酒はあるでしょうか?
山陰にも数多くの酒蔵があり、迷ってしまうほどです…
今回は島根県出雲市にある富士酒造合資会社さんを紹介します!
”出雲富士“という商品で有名ですが、そこにはなんと島根大学と共同で制作された、ある芋焼酎があるとか!
開発の裏側に迫ります!!

目次

1.富士酒造合資会社と出雲のつながり

今回取材をさせていただいたのは、富士酒造合資会社 杜氏兼専務の今岡稔晶さんです!出雲には斐伊川沿いにお酒造りに適した良い水脈がありました。この場所で江戸末期からそれを活用し、お酒造りを開始しました。

出雲でお酒造りをすることへのこだわりはありますか?

生まれたのがもともと出雲の地だったこともあり、後継ぎとして酒造りを続けています。出雲は神話に登場する日本酒発祥の地だという説があり、そのような地でお酒を造っていることが幸運だと思っています。
 
“出雲富士“という名前には、富士山のように愛されるお酒になるという意味が込められています。出雲の方の一家に一本置いていただけるような土地に根付くお酒を目指しています。

2.お酒を造るうえでのこだわり

お酒を造るうえでのこだわりはありますか?

精神面では、どんな人がどんな思いで作っているかが大切です。そこを一番大事に思っています。
技術の面では、日本酒の作り方もどんどん進歩し、ほとんど人間が手を触れずに造っている酒造も増えていますが、昔ながらの手作業という方法をとっています。AIなどの技術が進歩しても、人間が五感・六感で感じる職人の仕事を続けていきたいです。

しかし、今のご時世として人間が直に触ることに抵抗のある人も多いです。雑菌のリスクも考えられるため、徹底的に手をきれいにすることにしました。

手順としては、まずオゾン水で洗い、手術用石鹸で手を洗い、そのあと再度オゾン水で洗います。こうすることで手袋を付けなくても安全が保たれています!!

←手洗い用のタイマーが置いてありました⏲

材料へのこだわりはありますか?

富士酒造合資会社にずらりと並ぶ商品

まず、水です。水は軟水で柔らかいのが特徴である斐伊川の伏流水を使用しています。斐伊川はヤマタノオロチ伝説のモデルとも言われています。
次に米は、全体の95%は地元島根県産の酒米を使用しています。その中の多くを地元・野尻地区の農薬や化学肥料の使用を抑えたエコ栽培のものを使用しています。残りの5%は酒米の生産量が一位の兵庫県の米を使用しています。技術者として評価の高い米を触ることで、一流の米の感覚を知り、島根で生産する米も近づいていくためです。

―出雲富士の中でも様々なお酒がありますが、作り方は変えているのですか?―

いろいろなランクがあり、値段は違います。それは使っている材料が違い、希少なものは高くなります。しかし、全てのランクのお酒に同じ手間をかけています。

3.「神在の里」ができるまで

―いよいよ、島根大学と共同開発された神在の里について知りたいです!
日本酒”出雲富士“を作られていたのに、どうして芋焼酎を開発されたのでしょうか?―

平成15年ごろから芋焼酎ブームが始まりました。そこで、いずも地産地消振興委員会を設立し、作り始めました。島根大学の方がその新聞記事を見て、共同開発について声をかけていただきました。
原料は生物資源科学部の学生が栽培・収穫した芋を使用し、ほとんど毎年講義とフィールドワークの一環として仕込み体験作業を学生にしてもらっています。
島根県内で助け合いの気持ちで、両社の付加価値を高めるために作りました。

島根大学生協ショップHPより

4.「神在の里」の楽しみ方

神在の里にはどのような特徴があるのでしょうか?

普通の芋焼酎よりも澄んでいて飲みやすいのが特徴です。

どんな人に飲んでほしいですか?

先生と学生、大学に関わる方に特に飲んでほしいですね。

なるほど。学生というと、若くてお酒に慣れていない人も多いと思います。どんな風に飲めばいいですか?

まずはソーダで割って柑橘系を絞るのはどうでしょうか。サイダーで甘くするのもアリです。コーラでもいいです。自由に楽しく飲んでいただきたいです!

食べ物はなんにでも合いますが、私がおすすめするおつまみはあごの焼きわさびマヨ添えです☺

コーラで割ってもいいんですか!?それなら一気に敷居が低くなりますね!!お父さん世代の飲み物だと思っていたけど、挑戦してみようと思います!

5.富士酒造合資会社の想い

これから挑戦したいことはありますか?

もっとおいしいお酒が造りたいです。
また、出雲富士があるから出雲に来ようと思ってほしいです。そのために毎年改良した方法で製造しています。これからも研究を続けていきます。

最後に一言お願いします!

酒は人と何かをつなぐものです。なにかとは、「人」「食事」「場所」「歴史」「文化」等です。
コロナ禍でお酒を飲む機会は減っていますが、お酒を通じてコミュニケーションの大切さを感じて、それを財産にしてほしいと思います。

最後に筆者と一緒に写真を撮影していただきました(^^)/
こんな時だからこそ、お酒。
いつもと違う飲み物を自由に楽しく飲んで、新たな体験をしてみませんか?


富士酒造合資会社さん、今岡さん、ありがとうございました!!

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取材先

取材先画像

富士酒造合資会社

島根県出雲市今市町一四〇三番地
0853-21-1510
定休日:土・日・祝
営業時間:8:30~17:30
出雲富士|富士酒造 (izumofuji.com)

※神在の里は島根大学生協ショップで購入可能です
島根大学オリジナル焼酎「神在りの里」(配送は島根県内限定) | 島根大学生活協同組合 (marucoop.com)

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