日本で唯一!○○水槽<br>島根を愛し、愛された水族館!?
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2022/08/23 Tue

日本で唯一!○○水槽
島根を愛し、愛された水族館!?

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汽水域(淡水と海水の混ざる水域)の生き物がメインテーマ?!!

常設展は島根県内の生き物ばかり?!!

今回は、島根県の魅力がぎっっっしりと詰まっている体験学習型の水族館
島根県立宍道湖自然館ゴビウス」に行って参りました。

魅力が多すぎて、記事も盛りだくさんになってしまったのですが、
最後までお読みいただけると嬉しいです!

(https://goo.gl/maps/yb9fX1vfhXQzDcKZA)

島根県立宍道湖自然館ゴビウスは、島根県東部に位置する宍道湖のすぐ側にあります!

宍道湖と中海の位置関係もこちらで紹介しておきます!

宍道湖と中海は主に大橋川という川でつながっており、
中海は境水道を通して日本海とつながっているので、そこから海水が侵入してきます。
宍道湖には、斐伊川から淡水が流入しているので、
宍道湖と中海は、河川からの淡水と海からの海水が混ざりあう汽水域となります。

ゴビウスの正面はこんな感じです!

建物の入り口までには、もうすでにテンション上がる空間が!!
この水辺にも生き物がいたので、訪れた際には探してみてください!

今回取材にご協力くださったのは、
島根県立宍道湖自然館ゴビウス
企画推進係の中野様

やさしさオーラが全開の方でした!

目次

1, 宍道湖自然館ゴビウスについて

冒頭でも説明しましたが、
島根県立宍道湖自然館ゴビウスは、汽水域をメインテーマとした体験学習型の水族館で、
2001年4月21日に開館しました。
汽水域をメインに扱っているのは、全国的にも珍しいそう!

さらに、展示されている生き物は島根県内の川や湖に生息している生物ばかりで、
ほとんどは職員さんたちが自分たちで集めているのだとか…!
ゴビウスに行けば、島根県の生き物マスターになれちゃうんです!

ところで皆さん、島根県立宍道湖自然館ゴビウスの「ゴビウス」はどうしてこの名前になったのかご存じですか?

実は、「ゴビウス」はラテン語でハゼの仲間の呼び名なんです!

生物には国際的に共通の学名があります。
学名はラテン語で表記され、
先頭の属名の部分にgobius
とつくハゼもいるそう!

汽水域はハゼの仲間が多く、
宍道湖・中海にもマハゼが多く生息していることから、島根県が一般公募をして、この愛称に決定しました。

さらにさらに、
こちらのゴビウスのマスコットキャラクターを
ご存じでしょうか?

やはりこの子もマハゼがモデルになっているんです!
なんだかかわいらしいですよね~

そして気になるお名前は、「ゴビィ
「ゴビィ」はハゼの英語名なんです!

島根県内の生物の展示や宍道湖・中海に多いマハゼをマスコットキャラクターに取り入れるなど、
島根県の特徴をふんだんに取り入れているゴビウスには、島根県東部と鳥取県西部からのお客様が多いのだとか。
夏と冬には県外から帰省されたお客様が増えるなど、
地元の方に非常に愛されている水族館なんです!

2, ゴビウスにいる生き物

ゴビウスには、約200種10000匹の生物が展示されています。
かなり多いですよね!

ここでは、少しだけ生態に関する豆知識も入れながら紹介していこうと思います!

まず初めに出迎えてくれる水槽がこちら!

この水槽には、アユの若魚が約800匹泳いでいます。
漁協の協力を得て2~3月に若アユ約1,000匹を搬入するのだそう。
いきなり迫力がすごく、圧倒されます!

魚がぐるぐる回って泳いでいるタイプの水槽があると、
逆走している子を見ちゃいがちですよね(笑)

中庭池と呼ばれるところには、カメがたくさんいます。
上の写真は、外来のカメコーナーで、ワニガメ、ミシシッピアカミミガメ、カミツキガメがいます。
ワニガメとカミツキガメはまだ島根県では確認されていません。

こちらは、在来種のニホンイシガメとニホンスッポンです。
スッポンも目にする機会が少なくなってきましたよね、
筆者は初めて日向ぼっこ中のスッポンを見ました!

この池には、コイや昔からこの地域に生息しているオイカワやカワムツなどの川魚も泳いでいるんです!

なんと、期間限定で餌をあげることができます!

限定という言葉を聞くとやりたくなっちゃいますよね~

餌をあげるときは、
ゴビィの口に餌を入れると下に落ちる仕組みになっています。

写真下の方に黒くうじゃうじゃしているのが分かりますか?
魚たちが人の気配を察して待機しているんです(笑)
カメも餌の取り合いに参戦するんだとか!

汽水のなかまたち

初めの水槽では、左の水槽が中海、右の水槽が宍道湖を再現しています。

汽水域をメインテーマとしているため、
異なる塩分濃度の中海と宍道湖の特徴を分かりやすくお客様にお伝えするために、
このように、非常に分かりやすく、見やすい展示パネルが館内にはたくさんあります!

これもスタッフの方が考えられて作成しているそう!

宍道湖を再現した水槽に、しれっといるこの魚、激レアです!
これは、宍道湖七珍にも含まれているワカサギ(アマサギ)です。
30年前には夜ご飯の食卓に並ぶと食べ飽きたという会話がされるほどたくさんいたそうなのですが、
今では宍道湖で捕れにくい魚のひとつになってしまったのだとか。

ワカサギと聞くと、冬に氷の張ったところにいるワカサギ釣りで釣れるようなのをイメージしませんか?
宍道湖のワカサギは、それよりも一回り大きく、10㎝程にもなるそう!
ほとんどが1年で生涯を終えてしまいますが、宍道湖のワカサギの寿命は2年あるのだとか!
こんなにも差があるなんて、おもしろいですね~

こちらの水槽は、ウナギ、シジミ、モクズガニ、テナガエビ、マハゼなど
食べておいしいシリーズです!

水族館の先頭に、どうして食べてもおいしいシリーズがあるの?と思った方いませんか?

これは、ゴビウスの所管課が県の水産課だからなんです。
開館当初から切っても切れない食のことをにおわせながら展示してほしい
という背景があったそうで、宍道湖を代表する生き物は水族館の先頭に展示されています。

ワカサギ(アマサギ)の説明のときに出てきましたが、宍道湖七珍という言葉をご存じでしょうか?

宍道湖ならではの郷土料理として親しまれてきた生き物ことです。

食べてもおいしいシリーズの生き物もいくつか入っています!

(ガラスが天井までないので、開放感がすごい!!)

中海のジオラマ水槽や

宍道湖のジオラマ水槽まであります!
魚たちが優雅に泳いでいて、ずっと見ていられます!

川のなかまたち

この水槽では、川の上流・中流~下流と分けられています。
個人的にこの水槽の上から水が流れてくる感じや泡の感じ、みんなが同じ方向に向かって泳いでいるところがすごく好きでした!

淡水魚好きのお客様からも、大変満足とのお声を頂くそう!

汽水も淡水も紹介しきれていない魚がまだまだいるので、実際に足を運んでみてください!

3, オススメ水槽

島根県立宍道湖自然館ゴビウスのオススメの水槽がこちら!!!

シラウオです!
ここでは、年中シラウオを見ることができます!
年中見られるのは日本で唯一ここだけなんです!
すごくないですか?!

この写真、シラウオの体がキラキラしているのが分かりますか?
これは、水槽の上だけでなく横からもライトを当てていることによって、
シラウオの体が虹色に輝いて見えるんです!
とてもきれいで見入っちゃいますよね!
この展示方法になるまで、たくさん試行錯誤されたそう。

実はシラウオの寿命は一年
なのでシラウオを年中展示するのは非常に難しく、様々な課題があったそうです。
シラウオ専門のチームを作り、多くの人の協力も得て、
平成31年1月1日に展示をスタートされたのだとか!

泳いでいる姿が本当にきれいなので、ぜひ実際に見に行かれてみてはいかがでしょうか!

4, 飼育について

こんなにもたくさんの生き物を飼育していると、
何をどのくらい餌としてあげているのか気になりますよね?

ゴビウスでは、餌代として年間約100万円かかっているそう!
冷凍のオキアミ、アカアミ、赤虫、アジをメインに、仔稚魚やクラゲに与える動物プランクトン、配合飼料などなど。カエルや小型のサンショウウオ用にコオロギやヘビ用に冷凍マウスなどもあげているそうです。
たくさん種類があって、わからなくなりそうですね。

飼育で大変なことは、
365日誰かが生き物の飼育と設備のチェックをしないといけないことだそうです。
水温、塩分、水質、水流、餌やりなど、気にしないといけないことがたくさんです!

特に水温には要注意で、
冷水を好む魚の場合、掃除や換水の後の夏の補給水は20℃を超えているので、
少しずつ様子を見ながら水を注いでいく必要があるそう。
また、冬の宍道湖の水温は5℃まで下がってしまいますが、
近海の魚は15℃以上ないと死んでしまう種がいるなど、かなり神経を使うのだとか。

生き物ごとに好まれる環境が違うので、
それぞれに合った環境づくりを行うのはすごく大変ですね!

シラウオの説明のときに少し触れましたが、
ゴビウスではシラウオ、タガメ、ゲンゴロウ、ニホンイトヨなどの繁殖も行っています。
これらの生物は、野外で採集することが難しいため、毎年繁殖をされているのだとか!
飼育下のため、野外とは繁殖の時期がずれたり、生まれた直後は特に飼育環境に気を使ったりなど、
大変なのだそう…

5, その他の活動

こちらのスペースでは、毎週土、日、祝日に「飼育係とっておきの話」が開催されています!
スタッフがその時に注目している生き物、旬な生き物など
お客様に知っていただきたいなと思うことをお話してくださるんです!
とっても面白そうですよね!

また、ゴビウスでは年に3回(春・夏・冬)に特別展を実施しています!
会期は各2ヵ月程度。
特別展では、県外や海外の生き物を扱うそうで、
他の水族館さんから生き物を借りたり、譲ってもらったり、交換したりして集めるそうです。
その期間しか見ることができないので、行きたくなりますね!

他にも、ゴビウスでは
毎月観察会を行っています!
生き物の観察を行ったり、
工作をしたりなどなど、
楽しそうな企画がいっぱいです!

こちらは、先着30名程度で、事前予約が必要です。

GWやSWなどには、館内で楽しめるイベントも行っているそうです!
館内の展示をくまなくご覧いただけるように今年はクイズラリーなのだとか。

展示以外にも、楽しそうな企画がいっぱいですよね!

6, 今後の展望

ゴビウスは、せっかく宍道湖の近くにあるので、
完全に島根県内の宍道湖・中海、汽水に特化した、
全国探してもここしかない!水族館でありたいです。

身近な水族館として地域の園児、小学生、中学生の自然環境の学びの場として、またご家族の憩いの場にもなればいいなと思います。

【取材を終えて】
今回の取材を通して、ゴビウスのスタッフの方々が、
お客様を喜ばせよう!楽しませよう!としている気持ちがすごく伝わってきました!
それと同時に生き物を大切にされている気持ちも。

展示パネルには、小さい子供さんから年配の方まで見やすいように様々な工夫で配慮されていて、
読みやすく、わかりやすく説明してありました。
今度プライベートで展示パネルまでも全部読みに行こうと思います!

ゴビウスは、

楽しめること間違いなし!!

なので、是非皆さんも訪れてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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取材先

取材先画像

島根県立宍道湖自然館ゴビウス

〒691-0076  島根県出雲市園町1659-5
開館時間: 9:30-17:00(最終入館受付16:30)
休館日: 毎週火曜日(祝日の場合は翌平日休み)12月28~31日は年末休館
TEL:0853-63-7100

島根県立宍道湖自然館ゴビウスホームページ
https://www.gobius.jp/

取材場所:島根県立宍道湖自然館ゴビウス

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